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都内ではもはやレアなロケーション 赤城ビル その1

hechima Location Stock

赤城神社より眺める赤城ビル

 かつての神楽坂界隈は多くの「印刷工場」「製本所」が軒を連ねていたエリア。印刷や製本には巨大な機械が必要。だから建物の入口は、「観音開き」にするなどして大きな開口部を作ることで巨大な機械の搬入も可能になる。これが工場独自の雰囲気を作り出している。こちらの「赤城ビル」もしかり。


屋上から見下ろすピロティー

 

 しかし、他の印刷工場とは異なる雰囲気を醸し出しているのは、4階まで大小印刷関係の会社に貸し出していたところにある。この手の工場の多くは地上階に機械を入れるが、赤城ビルは4階までのすべての部屋にクレーンを使って機械が搬入できるようにしてある。なので廊下の手すりはシャッターのように上がったり、必要以上に開口部があったりと、これらが赤城ビルの独自の雰囲を作り出している。


赤城ビルの外観は香港のクーロンを彷彿とさせる

 今や印刷関係のテナントは3社のみとなり、デザイナーの事務所やスタジオギャラリーなどオシャレな業種が取って代わって借りている。部屋は工場だけあってシンプルな箱といった感じで、天高は3m30cmと高く、先程の必要以上の開口部によって自然光が入り、開放感のある状況を作り出している。


赤城ビル4Fの機械搬入口。

 今年で築50年ほどになる赤城ビル。老朽化も進み先は長くはないと大家さんは話す。去年の今頃は、ドラマ「相棒」のお正月特番で探偵事務所のスタジオとロケーションとして利用された。制作会社が語るに、都内ではこのような古い建物は貴重らしい。かつて松田優作の「探偵者物語」で使われた神田須田町の「同和病院」もショーケンの「傷だらけの天使」で使われた「代々木会館」も今はもうない。都会の風景に古いビル探すことができなくなるのは遠くはないだろう。


テナントビル4Fのハウススタジオ「ステイプルルーム」は現在リニューアル中。







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